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エジプトで踊ってみた

エジプト撮影報告。*p1*[温故知新で余裕を取り戻す]
結論から言いましょ。まあ面白いから皆さんもエジプトを訪問されるといいと思う。
オペラ歌手「マリアカラス」の伝記映画のひとこまに「エジプトは世界の観光の華」というシーンがある。
たしか、打ちひしがれたマリアカラスが気分転換にパリから旅行に出かける。
また、紀元前500年ぐらいからギリシャ人は既にエジプトを観光していたという記録もあるらしい。
やっと古代人と肩を並べられてうれしい。
さて最後まで読んでいただける人はまあ少ないと想像するので、重要なことを最初に言いましょう。
我々は、歴史を学ぶことによって近視眼的になるのを避け、将来のビジョンを見出さねばならない
(しびれるなあ〜)。てな考えもありましてね、歴史の古い、今回はエジプトを訪問したわけです。
本当は他力な「ツアー」ではなく自力で切り開く「旅」がいいのだが、
昨年秋に英語さえ通じない中国の田舎町で「旅」に苦労したし、
「初めて訪れる地は旅行会社のツアーにし、2回目から個人旅行が宜しい」と
中村光一氏が教えてくれたこともあり、添乗員付きのツアーにした。
しかーし同時に、日本が誇る「もったいない精神」をここでも発揮すべきで、
表面をなめるだけというのはどうもあかんと思う。
添乗員から聴いたが、実は、昨日どこを訪れたかも覚えていない人が多く、
ガイドブックさえ見ない、見てこない人が多いという。
どうりで日本が駄目になる。表面国家の象徴的な側面でしょう。
自戒の念もあって、今回は三か月前からエジプトの歴史入門の本をだいたい読んで予習してから行った。
さて今回のエジプト。いくつかの項目に分けて報告します。
◆歴史ロマンがまだまだ残る。
帰国後、映画インディージョーンズを見直してみたくなった。
たとえば、吉村作治氏がまさに今、ピラミッド脇で「第二の太陽の船」を発掘している最中である。
ピラミッド自体の意味も、建造方法も不明なままだ。クレオパトラの墓は未だに発見されていない。
壁画にも意味が不明な絵が残る・・・。つまり、謎なら枚挙にいとまがない。
我々が生きている間にもまだまだ新たな発見が期待できそうなのでエジプトは面白いのだ。
写真はハトシェプスト女王葬祭殿。1997年ここでテロがあり数十人が銃殺された。

◆エジプトは、ナイル川以外は砂漠である。
認識が足らなかった。カイロから寝台列車に揺られ14時間、エジプトのハワイ=アスワン(下写真)
から、銃を携えた兵士に守られてバスに乗り、隣国スーダンにほど近いアブシンベルに到着するまで
約4時間、2月だというのに気温は30度を超え、ひた走る1本道の両側は果てしなく広がるサハラ
砂漠であった。エドフにてホルス神殿を訪れていた最中、砂嵐に襲われて夜まで続いた。わずかナイル
川の両側15キロ程度と地中海に近い地方のデルタ地帯だけが有効な土地であり、つまり実際はエジプ
トは狭いのではないかと思う。ちなみに、サハラの砂を持ち帰った。
その粒は細かくオレンジ色で美しい。砂漠に沈む夕日は最高の芸術品だった。


◆ミュージッククリップを撮影した。
「Love Fpr Sale」。世界最古の職業と云われる娼婦。そのきっぷの良さがかっこいい曲。
王子を産んで王妃になる。競争相手は100人。王の精力を奪い取るその姿は娼婦顔負けでエジプトに
ふさわしい曲と解釈した。撮影した場所は、ナイルクルーズ船上のコムオンボ神殿(下写真)、
ルクソール神殿の昼と夕方(下写真)、ピラミッド前(上写真)。
このミュージッククリップは、3ヶ月後には私のユーチューブサイトで見られると思いますので是非見てね。
少人数のゲリラ撮影なら世界遺産の前でもミュージッククリップが撮影できる大らかさが良い。


◆現地の人は平和を優先しない。
現地の人と話せたのは、日本語を話すガイドの一人だけ。彼女は同い年で3人の母であったが、彼女が国
に期待しているものは国力であり平和ではなかった。元々自給国家であったエジプトは現大統領の親米路
線のゆきすぎで自給でまかなえない国になり果て、他国に媚を売らないと生きていけない尊厳のない国に
陥っていると嘆き、この状態からの脱却のためには戦争はウエルカムであると僕に語った。現在のエジプ
トは近代の他国侵略で宗教はイスラム教になってしまった。コーランの教えにより休日は木曜日か金曜日。
世界経済と同調するつもりもない。彼らと共通の価値観があるならば、家族についてぐらいかもしれない。
世界平和って駆け引きで成り立ってる危うさがある。
◆日本人はイケてる部分もある。
世界をまたにかける添乗員が言っていたが、世界の80%の国民は自分にあまく他人に厳しい奴らだと。
日本人ほど自分に厳しい国民は少数派らしい。だからワールドスタンダードでいえばもっと楽になって
良いわけです。
欠けてるのはビジョンを持つ能力と言われてますよね最近。だから顔が暗い。ビジョン持ちましょ。
◆「王家の谷」こそが観光のハイライト。
観光に行ったのにこの話が最後になっちゃたあ。すべてではないが、今回けっこう見たよ。良かったのは、
砂漠のオアシス「アスワンのホテル」、アガサ・クリスティのナイル殺人事件でおなじみの「3泊4日の
ナイル川クルーズ」、コムオンボ神殿、カイロの博物館、そして私のハイライトは「王家の谷」。ツタン
カーメンで有名だが、68だったか現在までにファラオの墓が地中に見つかっており、その谷の荒涼さと
言ったら言葉を超越する。見渡す限り、石灰岩で真っ白の谷。一時に観光できるのは8つの墓と決まって
おり、もしコンプリートしようと思ったら10回ぐらい行くことになる。地下100メートルを下る墓も
ある。写真は禁止なので行くしかない。
■後記
復習もせんとね。読みかけたエジプト歴史書は最後まで読みたいし、我が家のスーパーDVD録画機
「スゴ碌」にて、しばらくは「エジプト」というキーワードを打ち込むことで自動で録画されたエジプト
関係のテレビ番組を見ることにします。
それからもう一つ。アメリカ以外の国や地域を見ることだ。日本はアメリカの半植民地。
アメリカの情報ばかりが勝手に入ってくる。世界は、本当は、ちと違うんだと思う。
ジャズをやってるぐらいだからアメリカは大好きな部分もあるんだが。