横浜夕暮れクルーズ
それではDVDから、公開している2枚目のカットについて説明しよう。
そしてもう1枚も初公開!
これらのカットは、横浜港の観光船「マリンルージュ」で撮影したもの。
というより「My Funny Valentine」は、氷川丸で撮影した一部カットを除き、
基本的に全部、このマリンルージュの船上で撮影した。
それでも仕掛けはあってね、実は1日に2回乗った。昼12時出発の便、夕方4時出発の便。
「My Funny Valentine」の1コーラス目はデイクルーズで、ラストコーラスはサンセット
クルーズで、だいたい編集している。
この曲の間奏を夕日をバックに踊りたいというイメージが最初からあり、
こだわり続けて撮影責任者の馬場さんにに主張し続けた。
事前にロケハンする時間・予算の余裕はなく、横浜の夕方クルーズでいい感じの絵が撮れるのか
疑問で、この曲だけは横浜でなくて、日の出桟橋からお台場を経由し平和島に至る水上バス航路
の方がいいのでは!と主張しつづけていた。
日の出桟橋からの航路は以前一度だけ乗ったのだが、晴れた日でねえ、夕日とともに進む船の上で、
ゆうっくりと水上で過ごした美しい時間を、いまだに忘れることができない。
この航路は、浅草を結ぶ人気の航路とは大違いで人がほとんど乗ってないと思う。
さて、マリンルージュだ。
本来、両方とも2時間のクルージングを楽しむコースなのだが、4時からの回はきっと
人が少なかったせいなのだろう、料金は割り引かれ40分コースに急きょ変更された。
2回目に乗船した時にね、船の入り口で向かえてくれる女性クルーが僕の顔を見て、プッ!と笑った。
思わず俺もプッと笑い、二人で笑った。胸に白い薔薇を指しピンクのジャケットを着たような男は、
同じ日に2回も乗らないんだろう普通はね。
さて幸運にも結果的に、このマリンルージュでも美しい夕日はお出ましになった。贅沢をいえばだ、
2時間コースなら、もっと夕日とともに長く居られたので、さらにもっと多くの夕日がらみカットを撮影できたろう。
ああそうだ!この「マリンルージュ」の夕方、少なくとも10月上旬の4時から便はお薦めだ。
土日は知らない。乗ったのは平日。やっぱり平日を仕事以外で楽しむって、最高な時間を得られる秘訣だな。
さて最後に氷川丸。氷川丸は山下公園に係留された引退船なのだが、この船、ちょっと調べてみたら
1930年に初公開し60年には引退した、つまりはジャズの歴史と重なるような船なのだ。
実際、毎年体育の日に行われる横浜ジャズプロムナードでは氷川丸の甲板ではビッグバンドによる
コンサートが行われていたことがある。それはもう天国のような情景だったろう。
この氷川丸、山下公園側から見てると気づかないが、今回初めて大桟橋側から見たら、
その美しさは、例えていうなら、マイフェアレディのようだった。