横浜の老舗Bar StarDust
瞬間で判断する余裕のなさが、お宝を失うことになりかねない。
誰あろう、僕の話だ。
バー・スターダストは昔、気になっていた店だったが、その店にたどり着くのは
今日ほど簡単ではなく、かつて2度ほどトライして探し当てられなかったので
「諦めた店」だった。
先日、DVD用の撮影を横浜山下公園で終えた後ににふらっと寄った。
カメラマンの馬場氏が昔よく通ったと聴き、道案内してもらったのだ。
バー・スターダストは1954年にオープンしたアメリカンバー。東神奈川の
在日米軍管理地・瑞穂埠頭へ渡る瑞穂橋のたもとにある。窓側には一つしかない
BOX席からは横浜港を隔てたみなとみらいの高層ビルやライトアップされたマリン
タワーが見えるらしいし、すぐ下には船も泊っているらしい。ドラマや映画、
雑誌の撮影によく使われているらしいし、サザンオールスターズのメンバーも
学生時代によく通ったらしい。こんなに’らしい’を連発するのは伝説の店だから。
しかしこの名店、行ってがっかりした。客を大事にしない。且つ、カウンターに
座ったがコーラ一杯で1.500円。ならば関西根性で元を取ろうということで、
店の前でオーナーに写真を撮ってもらい、そそくさと帰ってしまった。
20年分の期待が裏切られたような気がした。
でも、実際はファンが多そうだ。現に同行の馬場さんはオーナーに敬意を払い、
写真を撮らせるのは悪いと言っていたし、帰宅してネット検索してみたら、店や
オーナーを称えるサイトもいくつもある。
友人の内田ドラマーの言葉「そんな日もあるわな。」を思い出した。
たまたま、オーナーの「そんな日」であったと思ってみようか。
ならば近くに行ったら、もう一度行ってみよう。競争率の激しい窓際のBOX席
に座れば、その眺めの良さに再評価する気持ちになれるかもしれない。
仕事では瞬時に判断して決めることが多い毎日だ。
影響で、プライベートもそんな感じになってきてるんだなあ。皆が良いという
ものは、きっと良いんだと思うぐらいの余裕をもつようにしてみよ。
追伸:
カウンター上の、スタンドグラスだけは気に入った。洋ピンヌードの女が電話を
持って寝そべるステンドグラス。あんなの見たことがないぞ!