井筒Kの、Jazzとレトロとユーモラウス

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カートエリングat青山ブルーノート

カートシリング ではありませんか?と、ヤフーで検索したら表示されるぐらい
カートエリングは日本で無名だ(アメリカでの知名度は不明)。
しかしながら彼は、現役最高の男性ジャズボーカリストだと思う。カートを知ったのは偶然で、DVDソフトで発売されていたジャズカメラマンの記録映画JazzSeenのひとこまで半コーラスぐらい歌ってた。その1分ぐらいの音に完全にやられた。このやられ方は、過去に「ビートルズ」「ストーンズ」「セックスピストルズ」「オアシス」「東儀秀樹」ぐらいしかない(結構あるね)。とにかく名前から探して私は全CDを購入していた。数年前のこと。
そして2年前、ロスアンジェルスで宿泊してたハリウッド近くのジャズクラブに行ったら、突然カートエリングがステージに登って天にも昇る想いだった。この時のライブは、抑え目のしぶいアーティスティックステージで、得意の長音は1度きり、高音も一度きり、SCATも1度きりしか使わない、ライブのお手本のようなだったのを覚えている。もっとも、店前で並んでいた日本人女性が「なんとかエリントン」という人だと教えてくれて、デュークの孫?まあいいかと店に入ったのだから笑える。
さて、先週木曜青山のブルーノートで観た。想像を超えて進化しており、二夜連続で行かなかったことを悔やんだ。ロスで観たときより多少ショーアップしていたし、モンゴルの歌唱法ホーミーも使っていたし、音的ギャグもまぜながら楽しいステージになっていた。共演したピアノトリオのクオリティもすごくて、ジャズという音楽の底なしのすばらしさに感動した。あれがボーカル+トリオジャズなんだな。あれがジャズボーカルなんだね!
一緒に行ったドラマーの内田修一氏も秘書子さんも絶賛。内田さんは「ボーカルというより、ヴォイスだ。こんなに若くして老成しちゃって先はどうなるんだろう」と評。秘書子さんなんか「アメリカまで観に行きたい」と仰ってた。
一方、席には空席が目立った。知名度の問題があるのと、芸術的にすばらしくてマーケットの本流ではないからだと思う。が、こんなボーカリストと同じ時代に生きられて、ライブで観て聴けて幸せだ。
そうだ内田さん!カートと一緒に撮ってくれた写真、早く送って!
それと誰か教えて。ショーアップされたワールドワイドクオリティのジャズ歌手って誰?観てみたいんだけど、すんごく。